薬剤師が活躍できる場所は幅広くあります。
就職先や転職先を選ぶときに、給与を重視する人が多いでしょう。
この記事では薬剤師と他職種との給与の比較と、業種別の薬剤師の給与を紹介します。
就職先選びのご参考にしてください。
1.薬剤師と他職種の給与の比較
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」より算出した平均年収で、他職種との年収を比較します。
①全産業と薬剤師の給与の比較
- 平均年収
全産業 506.9万円
薬剤師 577.9万円 - 平均時給
全産業 1,412円
薬剤師 2,845円
薬剤師の年収は全産業に比較して71万円高く、薬剤師の時給は全産業の時給の約2倍でした。
薬剤師資格の専門性の高さの評価といえるでしょう。
②他医療職と薬剤師の給与の比較
医師 1436.5万円
歯科医師 924.3万円
獣医師 685.7万円
薬剤師 577.9万円
放射線技師 537.0万円
看護師 508.2万円
臨床検査技師 508.5万円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士 432.5万円
薬剤師の年収は医療従事者のなかでも高く、医師、歯科医師、獣医師に続く順位です。
※厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」より、平均年収を「きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」として計算
③賃金ランキングでの薬剤師の順位は?
日本労働組合総連合会の「2022 年賃金構造基本統計調査特別集計 にもとづく職種別賃金の研究」では、男女別の賃金のランキングの報告があります。
- 正職員男性薬剤師の年収は26位
医療従事者のなかでは医師、歯科医師、獣医師に続き4番目に高い順位でした。
男性全職種 542万円
男性薬剤師 601万円
- 正職員女性薬剤師の年収は18位
医療従事者のなかでは医師、歯科医師、獣医師、助産師に続き5番目に高い順位でした。
女性全職種 410万円
女性薬剤師 521万円
- 短時間労働者の男性薬剤師の時給は8位
男性全職種 1,597円
男性薬剤師 4,623円
- 短時間労働者の女性薬剤師の時給は12位
女性全職種 1,282円
女性薬剤師 2,718円
短時間労働者では男女ともに医療従事者のなかで医師、歯科医師に続き3番目に高い順位です。
2.業種別の薬剤師の給与
業種別での薬剤師の平均年収の比較です。
平均年収は就業場所により幅がありますが、地方や僻地など、薬剤師が不足している地域では給与が高い傾向にあります。
薬剤師の約8割は病院と薬局に勤務しています。
業 種 平均年収 病院 :約390万~540万円 調剤薬局 :約420万~590万円 ドラッグストア:約440万~600万円 企業 :約430万~700万円 |
平均年収だけを見ると、病院の平均年収は低いように見えます。
では、生涯累積年収ではどうでしょうか?
厚生労働省の「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の分析によると、病院と薬局での平均的な生涯累積年収は同程度という報告があります。
昇給ペースの違いにより、20~40台の給与水準は薬局のほうが高く、50代では病院のほうが高いという結果でした。
まとめ
薬剤師の年収は他職種に比較して、高い傾向にありました。
就職先は初任給、平均年収だけでなく、昇給ペースも確認して検討するとよいでしょう。
給与は仕事の満足度にも影響しますので、自分のライフワークバランス考えて就職先を選んでください。