風邪を引いて病院を受診しても、その場では薬を受け取れず、薬局に行かなくてはならない場合がほとんどです。
「どうして薬剤師と医師は別々なの?」「病院で医師から直接薬をもらうことはできないの?」と気になることもありますよね。
本記事では、薬剤師と医師の役割の違いや、役割を分担することのメリットを解説しています。
薬剤師と医師の役割の違い
薬剤師のおもな仕事は、処方せんに基づいて薬を調合(調剤)し、患者に提供することです。
また、薬の情報や飲み方などを患者に説明することも、薬剤師の業務の一つです。
このほか、近年では薬の服用歴や飲み合わせなどを管理する「かかりつけ薬剤師」としての期待も大きくなってきています。
一方、医師の役割は、患者の病気を診断して治療することです。
患者の治療に薬が必要な場合は、その患者に合った薬を処方することも医師の仕事になります。
薬剤師が、調剤をはじめとして薬物に特化した業務を担うのに対し、医師は病気の診断や、薬物を含むあらゆる治療を総合的に行ないます。
医師は薬剤師の代わりになれない!分業のメリットは?
医師は薬剤師より高度な医療知識があるのだから、医師が薬剤師に代わって患者に薬を出せばいいのでは?と思う人もいるかもしれません。
ですが、医師は薬剤師のように、直接患者に薬を出すことは基本的にできません。
法律上、医師には患者に対して処方せんの交付義務がある一方で、薬剤師以外の者が患者に薬を調剤することは原則として禁じられているからです。
つまり、処方せんに基づいて患者に薬を調剤することは、薬剤師にしかできないのです。
こうした「医師は患者に処方せんを出し、薬剤師はその処方せんにしたがって調剤する」といった役割分担のシステムは、「医薬分業」と呼ばれています。
処方される薬の内容を医師と薬剤師がダブルチェックすることで、薬を使った治療の安全性を確保できるのが大きなメリットです。
また、医師が自分の病院で取り扱っている薬にこだわらず、患者に合った薬を自由に選べるので、治療の質も上がります。
医師と薬剤師との間で処方せんの交付と調剤を分担する制度は、患者側にも大きな利点があるのです。
まとめ
薬剤師の役割は調剤だけでなく、薬に関する患者への情報提供や指導なども含まれます。
薬剤師と医師が互いに役割を分担することは医療の質の向上にもつながるため、患者にとってもメリットになります。
薬に関する悩みや疑問を解決したいときは、ぜひ身近な薬剤師や薬局を活用してみましょう。