薬剤師は高い給料を期待できる資格職として知られています。そのため、薬剤師を目指している方も少なくないことでしょう。とはいえ、勤務形態や勤務先による給料の差があることも無視できません。
この記事では、薬剤師の給料について、常勤と非常勤に分けて解説します。
常勤薬剤師としての給料
薬剤師が常勤で働く場所といえば、病院の院内にある薬局や調剤薬局、ドラッグストアや研究機関などがあります。比較的人数が少ないと考えられる研究機関は別として、気になるのは病院や薬局に勤務する薬剤師の給料でしょう。
厚生労働省が2022年に薬剤師本人を対象として調査した資料によれば、常勤薬剤師の年収中央値は380万円~700万円です。380万円は病院に常勤する薬剤師のうち20代の数字で、700万円は50代の数字です。20代でも店舗販売業併設の薬局に勤務する薬剤師は450万円であり、病院勤務よりも70万円ほど高い給与です。
30代では病院勤務も薬局勤務(薬局のみ及び店舗販売業併設)も500万円台で、40代になるとすべての勤務先で600万円台です。60代の数値が50代よりも多少下がっていますが、定年後の再雇用といった条件が関係していると考えられます。
出典:厚生労働省「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会~薬剤師の偏在への対応策 P.2」
なお、この数値は平均値ではなく中央値であり、薬剤師の年収を知る上で十分に参考になる数値です。また、薬剤師の平均年収は600万円近くといわれており、30代で中央値が500万円台という結果は、サラリーマン全般のなかで薬剤師の給料が高い根拠になるでしょう。
非常勤薬剤師の給料
同資料では非常勤で働く薬剤師の年収中央値の調査結果も確認できます。資料によれば、常勤の薬剤師とは異なり、年代や病院か薬局かといった条件による差はあまりなく、200万円台に集中している点が大きな特徴です。最高でも店舗販売業併設の薬局に勤務する30代の360万円です。
つまり、非常勤という働き方を選択する上での目標金額は、年収で200万円~300万円あたりです。非常勤薬剤師は時間単価が一般よりも高く、多くの場合少なくとも2,000円程度にはなるため、短時間勤務で稼ぎたいニーズに合致しているといえます。
まとめ
薬剤師の給料は一般のサラリーマンと比較すれば高給だといえます。ただし、一般的に何千万円も稼げる職業とはいえません。また、資格を取得するための学費や労力を考えれば、必ずしも高いとはいえないかも知れません。
薬剤師に興味があるなら、自分にとって高いか安いかをよく考えてみることが重要です。