薬剤師国家試験の概要や受験資格について

薬剤師

薬剤師になるためには、厚生労働省が実施する「薬剤師国家試験」に合格しなければなりません。ただしこの試験には、受験する際にハードルの高い受験資格が定められています。

この記事では、薬剤師国家試験の受験資格や、試験の内容について紹介します。薬剤師を目指すことを考えている方は、試験の受験資格や内容をよく確認しておくことをおすすめします。

薬剤師国家試験の概要

薬剤師国家試験は、全国9都道府県において年に1回、2日間のスケジュールで実施されます。
内容は必須問題が90問、一般問題(薬学理論問題)が105問、一般問題(薬学実践問題)が150問で、解答はすべてマークシート形式です。
試験科目は以下のとおりです。

科目必須問題一般問題出題数計
薬学理論問題薬学実践問題
物理・化学・生物15問30問15問(複合問題)60問
衛生10問20問10問(複合問題)40問
薬理15問15問10問(複合問題)40問
薬剤15問15問10問(複合問題)40問
病態・薬物治療15問15問10問(複合問題)40問
法規・制度・倫理10問10問10問(複合問題)30問
実務10問20問+65問 (複合問題)95問
出題数計90問105問150問345問

2日間の、それぞれの試験スケジュールは次のようになっています。

1日目9:30〜11:00必須問題
12:30〜15:00一般問題(薬学理論問題) 物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理
15:50〜17:45一般問題(薬学理論問題) 薬理、薬剤、病態・薬物治療
2日目9:30〜11:35一般問題(薬学実践問題) 物理・化学・生物、衛生、【実務】
13:00〜14:40一般問題(薬学実践問題) 薬理、薬剤、【実務】
15:30〜18:00一般問題(薬学実践問題) 病態・薬物治療、法規・制度・倫理、【実務】

試験の合格基準は年度ごとに異なるようですが、概ね次のような基準となっています。
① 問題の難易度を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準に
より設定した得点以上であること。
② 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ構成する各科目の得点
がそれぞれ配点の30%以上であること。

2022年度に実施された試験では、690点満点(全345問、配点は1問2点)中、434点以上の得点があることが合格の基準とされていました。
全体の受験者数に対する合格率は、だいたい70%前後のようです。

なお、薬剤師国家試験に関する情報や過去の試験問題などについては、「厚生労働省・薬剤師国家試験」のページで公開されています。

薬剤師国家試験の受験資格は?

薬剤師国家試験は誰でも受験できるわけではなく、次のような受験資格の取得が必要です。

①学校教育法に基づく大学において、6年制の薬学課程を修めて卒業している(または卒業見込みである)こと。
②外国の薬学校を卒業している、または外国の薬剤師免許を取得していること。
③4年制の薬学課程を修了後、大学院で薬学の修士課程または博士課程を修了し、厚生労働大臣の認定を受けていること。

まとめ

薬剤師の資格を取得するためには、6年制の薬学部などを卒業したうえで、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。

受験資格の取得には時間がかかりますが、試験に合格することができれば、生涯薬剤師として、さまざまな場所で活躍することができます。

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